根本的なことを問うと、終わらない。
「どうしてこうなったんだろう。」
男性は理屈で理解したがり、女性は目的で理解したがる。
などと言われている。(こどもは女性に近いからオヤジはこどもの心が分からないとも。)らしい、ようだ。
私は理解したい。考えたい。理由を知りたい。
「なんで、そんなこと知りたいの?」 と、過去にはよく、女性に問われた。
そこには、
「不思議なことを考える人」という好意と、
「面白くもないことを考えている人」という嫌悪感があり、
ほぼ99%が後者であるが、1%の前者の場合、その10%には、ちょっと期待が持てる。
なんの期待か、などと考えていた頃が、
懐かしい。
「なんでそんなことを知りたいのか」
そんなこと、考えたこともない。ただ知りたいだけ。納得したいだけ。
なんでこんなところに、この草は生えているのだろう。
鳥が種を運んだから、風に種を預けたから。
どうして歩道のアスファルトの隙間に、大根が生えるんだろう。
どこからどうやって、大根の種はやってきたのだろう。
その種のどんな大根はどんな人が作っているんだろう。
その人はなぜ、大根を作ろうと決めたんだろう。
親が作っていたのを継いだのだとしたら、その親は。
人間はなぜ大根を食べるのだろう。
世界でどれくらいの人が大根を食べているのかな。
ド根性大根のニュースを見て、大根の種や花や、大根の一生について考える。
大根の来し方行く末について考える。
飽きることはない。
ただ、生産性がない。
ごく普通のビジネスマンである私は
ご多分に漏れず、生産性で物事を判断することを、
勤続○○年の間に身につけてしまった。
何にでも、強引に当てはめて評価を下してしまえる、暴力的なツールだ。
「なんで、そんなこと知りたいの?」これは言い換えれば、
だれかの価値観で生産性がないじゃない!、と訴えられている。
でも生産性のないことなんて、みんなやっているよね。
あなたが長時間鏡に向かっていることや、
洋服屋さんで逡巡していることなど、
だけど、私はそれについて生産性なんて問いは
口が裂けても発しませんよ。
そんなあなたは、ただかわいらしい。
それについて、根本的な問いなど、発しません。
それ以上の根本など、
僕らの間には存在しないのだから。